日本や米国など12カ国が貿易・投資の自由化を目指す環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合が22日、シンガポールで開幕する。関税撤廃や知的財産の保護など各国の意見が対立する難航分野を、政治判断で前進させられるかどうかが焦点。12カ国は昨年12月の前回会合で目指した「実質合意」に再挑戦するが、妥結への道筋を付けられなければ交渉が漂流する恐れもある。
甘利明TPP担当相は21日、シンガポールへの出発前に成田空港で記者団に対し、「大変厳しい交渉になると思うが、全力を尽くす」と述べた。
今回の閣僚会合は25日まで4日間の日程で開かれ、新薬の特許保護期間をめぐり米国と新興国の主張がぶつかる知財など主要な論点を集中的に議論する。12カ国は今会合で閣僚折衝が必要な全ての論点に解決への道筋を付け、「実質合意」を宣言したい考えだ。
ただ、最難関の関税協議では、日本のコメなど重要5分野をめぐって日米が依然として対立。知財のほか、国有企業改革でも米国と新興国の意見の隔たりは大きく、合意を先送りした前回の会合から対立の構図は変わっていないのが実情だ。
今会合で再び合意を先送りすれば、11月に中間選挙が迫る米国の譲歩が期待しにくくなるなど交渉の機運低下は避けられない。このため日本政府内には「12カ国が今会合で交渉をまとめるという気持ちで臨まなければTPPは漂流する」(交渉筋)と懸念する声も上がっている。(シンガポール 会田聡)