シンガポールで開かれている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は24日、関税撤廃を扱う「物品市場アクセス」「知的財産」など意見対立が激しい難航分野を集中的に討議した。会合は25日に閉幕する予定だが、各国の立場の隔たりは依然として大きく、閣僚による政治決着は見送りとなる公算が大きくなっている。
甘利明TPP担当相は3日目となる同日の会合前、記者団に対し「総合的に日本がどういうふうに貢献できるかをしっかり主張していきたい」と述べた。最難関の物品市場アクセスで、日本の農産品関税への撤廃圧力が強いが、「(公共事業など)物品以外の市場開放や知財などルールの部分もある」とし、関税以外の分野で市場開放をアピールする。
関税と並び難航する知的財産では、大手製薬企業を抱える米国が知財収入確保を目指して新薬の特許期間延長を提案。マレーシアなどは、特許切れの安価なジェネリック医薬品(後発薬)が製造しにくくなるとして反発している。
ただ、難航していた国有企業改革では、「一定の方向性がでてきている」(甘利氏)など一部の分野で進展がみられる。12カ国は今会合を「最後の閣僚会合」として、閣僚による政治判断が必要な難航分野の論点を解決したい考えで、最終日まで各国の歩み寄りを模索する構えだ。(シンガポール 会田聡)