背景には、両国の国内事情がある。オバマ政権は11月の中間選挙が迫る中、大きな政治的影響力を持つ業界団体の意向に配慮せざるを得なくなっている。22日には、全米豚肉生産者協議会など農業団体がフロマン氏に対し、日本の重要5分野の市場開放で「確かな結果」を求める書簡を送付。「オバマ政権の指導力が低下しているので、フロマン氏は業界団体の言いなりにならざるを得ない」(通商筋)との見方もある。
日本も「現在の譲歩案以上に譲れば、(高支持率を誇る)安倍晋三政権でも耐えられない」(政府高官)との声が上がる。TPP政府対策本部は23日、現地で開いた業界団体向けの説明会で、あくまでも5分野の関税維持を求めた国会決議を踏まえて交渉に臨んでいることを強調した。
交渉を主導する日米が折り合わなければ、他の難航分野で新興国が譲歩してこない側面もある。交渉の成否は日米がどう判断するかが大きな鍵を握っている。