山西省にある太原武宿国際空港で、旅客機に航空燃料を補給する給油車両(中国新聞社)【拡大】
◆高コストが課題
バイオ燃料は商業化への切符を手にしたが、大規模な実用化はまだ遠い。課題は高コスト。シノペック科学技術部の徐恵副主任によれば「生産コストは石油系の2~3倍」。廃食用油なら3トンでバイオ燃料1トンになる。「厳密に言えば、廃食用油と地溝油は別モノで、回収コストが高い」(徐副主任)。
廃食用油がバイオ燃料の原料になれば、廃物が宝となり、社会問題化する「地溝油」も解決する。だが、回収コストが高い壁だ。ある関係者は「引取価格が既存業者に負けているし、品質もバラつきがあるので、さらなる技術向上が必要」と話す。
現在、シノペックとマクドナルドなどの外食企業が共同で廃食用油回収事業を進めている。この関係者は「廃食用油からバイオ燃料を作るためには、合理的な回収システムの確立が必要。飲食店が自主的に廃食用油を回収ルートに乗せるようになれば、『地溝油』が食卓に上ることもなくなる」と話している。(中国青年報=中国新聞社)