日本の本当のお客様は中国ではない 付加価値貿易統計でわかる“真の世界” (2/5ページ)

2014.3.13 06:30

付加価値ベースの貿易統計の考え方

付加価値ベースの貿易統計の考え方【拡大】

 だが、中国から米国に輸出された1000ドルのテレビには、日本で生み出された700ドルの液晶パネルが含まれている。その「付加価値」ベースで考えると、700ドルは日本で生産されて最終的に米国に輸出されたことになり、中国で生産し米国に輸出された「付加価値」は300ドルとなる。こうして、最終財の価値を付加価値ベースで輸出国に分割、そこから輸出された形に組み替えるのが「付加価値貿易統計」だ。

 国際分業が複雑化し、サプライチェーンが国境を越えた時代には、前述の日本製液晶パネルのような「中間財」の貿易額が何度も計上され、貿易額が過剰に記録されがちだ。これを取り除き、より実態に近づける試みとして、この付加価値貿易統計は注目されている。

 初めて発表されたのは2013年1月。経済協力開発機構(OECD)が世界貿易機関(WTO)との連携事業として、国際産業関連表をもとに世界の主要57カ国についてのデータが公表されている。

「垂直統合型」と称されてきた日本企業の生産構造が、改めて浮き彫りに

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