政府は11日、エネルギー政策の中長期的な指針となる「エネルギー基本計画」を閣議決定した。原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、再稼働の推進など原発の活用方針を明記した。安定的なエネルギー政策で日本経済を支えるという安倍晋三政権の方針を反映し、民主党政権が掲げた「原発ゼロ」政策からの転換を明確にした。
茂木敏充経済産業相は同日の閣議後会見で「国民生活や経済活動を支える責任あるエネルギー政策を再構築する」と強調した。
基本計画は、原子力規制委員会が規制基準に適合すると認めれば、「その判断を尊重し原発の再稼働を進める」と明記。原発依存度を「可能な限り低減させる」とした上で、電力の安定供給や温暖化対策などの観点から「確保していく規模を見極める」と原発新増設に含みを残した。
再生可能エネルギーは、平成25年から「3年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していく」と表明。数値目標は、政府が過去に決めた「32年に13・5%、42年に約2割」を脚注に盛り込み、これを「さらに上回る水準の導入を目指す」と記載するに留めた。
原子力や火力、再生エネなどの組み合わせを示す「ベストミックス(最適な電源構成)」は記載が見送られた。これについて、茂木経産相は「再生エネの導入状況や、原発の再稼働の状況などを見極め、できるだけ早く設定したい」と述べた。