【北京=川越一】北京国際モーターショーが20日、北京郊外の中国国際展覧センターで開幕した。日系自動車各社はそれぞれ、中国市場の動向を見据えて現地生産のハイブリッド車(HV)や低価格車などの投入を発表。新車販売が年間2千万台を超える世界最大市場でのシェア拡大、ブランドイメージの確立をもくろんでいる。
トヨタは主要部品も含めて現地生産する「カローラ」「レビン」のHV版を2015年に発売することを発表した。同社の高級車ブランド「レクサス」は、小型スポーツ用多目的車(SUV)「NX」の世界初披露の場に北京を選んだ。SUVの伸びが著しい中国市場を意識した形で、マーク・テンプリン国際執行副総裁は「中国はラグジュアリー市場で世界最速の未来がある」と自信をのぞかせた。
日産自動車も日本で1500万円以上する「GT-R NISMO」を中国に投入する。その一方で、中国専用ブランド「ヴェヌーシア」からは5万元(約82万円)未満の低価格車を販売。外国車より平均3割安いとされる中国国産メーカーの購買層を切り崩す作戦だ。
一方、マツダは新型のセダン「マツダ6アテンザ」と小型車「マツダ3アクセラ」を公開した。独自技術「スカイアクティブ」の現地生産車が3車種となり、「スカイアクティブ開花年」を宣言。値下げをせずに、ブランドイメージの確立を目指す。ホンダも現地生産を促進する方針で、中国向けのハッチバック車やHVを2年後までに発売する予定だ。
また、韓国の現代自動車は、中国でも人気の韓国ドラマ「星から来たあなた」の主演を務める韓流スター、金秀賢氏を集客に利用。記者会見出席のウワサが流れて来場者が殺到し、会見が午後に延期された。同社ブースにはヘルメットをかぶった警備員が多数動員され、物々しい雰囲気が漂った。