駅東口よりさらに都市再開発が遅れていたのが駅西口地区だ。これまで何度も計画が持ち上がったが、実現には至らなかった。08年には、西口北側の中華料理店が多い地域で池袋チャイナタウン構想が持ち上がったこともあった。
難航する西口地区のまちづくりに昨年暮れ、三菱地所が名乗りを上げた。「まちづくり協力者という立場で、手弁当で相談に対応しているという段階」(三菱地所広報)というが、「合意を得られている地権者は6~7割。何とか8割以上に高めて再開発準備組合設立までこぎつけてほしい」と豊島区担当者は期待する。
三菱地所としても、東京有数のターミナル駅前の可能性を高く評価して、これまで誰も手を出さなかった火中の栗を拾う決断をしたようだ。手弁当での協力を強調するが、大手デベロッパーとして再開発をやり遂げる自信は当然あるだろう。
今後は三菱地所のほか、池袋大改造に名乗りを上げる不動産会社も増えると予想される。民間企業のビジネスチャンスを拡大するためにも、東京都が見送った国家戦略特区の指定へ、民間からも働きかけることが期待される。