政府税制調査会の法人課税ディスカッショングループの大田弘子座長(政策研究大学院大学教授)は16日までに産経新聞の取材に応じ、法人実効税率引き下げについて「機運が高まったときに実施すべきだ」と早期の実行に理解を示した。主なやり取りは以下の通り。
--なぜ、法人実効税率の引き下げが必要なのか
「企業はグローバルで競争している。法人税が企業にとって(事業上)の阻害要因にならないようにすることが目的だ。また企業は10年単位で設備投資計画を考えている。税率が下がるという見通しを示せば、企業が日本での投資計画を立てやすくなる」
--法人税率引き下げが景気に与える影響は
「短期的な景気刺激策にならない。税率引き下げは5~10年後に日本が国として成長する姿を作っていくための取り組みの一つだ。もちろん、それだけで競争力が高まるとは言わないが、外せない大きな要素であることは間違いない」
--望ましい税率は
「言えない。ただ、法人税の引き下げ議論が盛り上がるのは何年かに一度のこと。ドイツや英国が税率引き下げを進め、日本の税率が相対的に高くなるなかで、機運を逃さず見直しを考えないといけない」
--引き下げの財源は
「恒久減税は恒久的な財源抜きに実施できない。政策減税の見直しなど政府税調で議論した成果を出す。広く薄く税を負担していただく方向になる」