安倍晋三首相が意欲を示す法人税の実効税率引き下げに向けて、政府税制調査会(首相の諮問機関)が検討してきた代替財源のメニューが9日、出そろった。特定業界を税優遇する政策減税の縮小・廃止などが柱となるが、税制改正の実権を握る自民党税制調査会は政策減税の大幅な見直しに慎重で、調整の難航は必至。政府が6月の経済財政運営の指針「骨太方針」に盛り込む実効税率の引き下げ幅をめぐっては、代替財源をどれだけ確保できるかが鍵を握る。
優遇措置見直し
9日開かれた政府税調の法人税改革を専門に検討する部会では、中小企業や公益法人の法人税率が特例的に低く抑えられている現在の優遇措置を見直す方向が示され、改革に向けて検討を進めることが確認された。
これで、政府税調が検討してきた実効税率引き下げの代替財源候補が出そろった。政府税調では、この中からメニューを選び、月内に税率引き下げに向けた改革案をまとめる方針だ。
現在35.64%(東京都)の法人実効税率をめぐっては、甘利明経済再生担当相が9日の会見で、「大事なことは税率が30%を切ることだ」と述べ、今後5年程度で20%台に引き下げるべきだと強調。経済財政諮問会議の民間議員も15日の会合で、実効税率を来年度からの3年でアジア並みの20%台に引き下げるよう求める予定だ。ただ、税率20%台を実現するためには、6%の引き下げが必要で、最低でも約3兆円の税収の“穴”を埋めなければならない。