【飛び立つミャンマー】ティラワ開発 難航する移転問題 (2/3ページ)

2014.5.16 05:00

ティラワSEZから移転した住民らの新しい住居。電気は通ったが井戸水の質が悪く、改善中だという(JICA提供)

ティラワSEZから移転した住民らの新しい住居。電気は通ったが井戸水の質が悪く、改善中だという(JICA提供)【拡大】

 ヤンゴン管区政府は強腰だったが、日本政府からミャンマー政府への働きかけで、ティラワSEZ管理委員会が中心となり、JICAの支援も受けながら、住民協議会などを開催し、補償交渉を行い、早期開発地域の81世帯との合意にこぎ着けた。

 具体的な補償内容は、各世帯に一律1250平方フィート(約116平方メートル)の代替地と、電気も供給される家屋を提供。移転支援費用のほか、休業支援、野菜やコメの補償金として年間収量の4倍から6倍の金額を支払うなどした。さらに、職業訓練や、新しくSEZに進出する企業への就業斡旋(あっせん)など生計回復支援を行っている。

 ◆日本と直接交渉要望

 問題は、こうした取り組みに対しても、周囲の地価が1エーカー(約4047平方メートル)当たり約2000万円とも約3000万円ともいわれるだけに、農民らが容易に納得しないことだ。さらに農地の代替地がないことも不満を呼んでいる。

 ヤンゴン管区政府の当初の取り組み方に瑕疵(かし)があったのは事実だが、その後の移転交渉や補償内容は東南アジア諸国連合(ASEAN)や世界銀行の住民移転に伴う国際基準に沿って行われた。

 さらに補償交渉の陣頭指揮を執るティラワSEZ管理委員会のセッ・アウン委員長(中央銀行副総裁)は、自ら農民らとの交渉に臨み、ときには国際水準を超える補償を提示し、常に農民の側に立って交渉してきた。

 ここにきて、農民側やそれを支援する非政府組織などから、さらなる補償を求めて、日本政府との直接交渉を望む声が上がっている。しかし、土地問題は極めて内政にかかわる問題だ。

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