韓国検察がここまで力を入れているのは、朴槿恵(パク・クネ)政権を危機に陥れた事故を起こした会社の安全を軽視した経営方針決定の背景に、兪容疑者がいるとみているからだ。
「朴大統領が『責任を取らせる』と宣言している兪容疑者の追及が不調に終われば、検察が世論と政権から責任を問われる」(法曹関係者)。5億ウォンは韓国検察の体面を維持するための値段とみることができる。
一方、沈没事故をめぐっては、朴政権は救助や事後処理に関して世論から激しい批判にさらされた。このため鄭●原(チョン・ホンウォン)首相を更迭。後任の首相候補に検察OBで元最高裁判事の安大煕(アン・デヒ)氏を指名した。
公務員に対する失墜した信頼の回復を果たしたい朴大統領の期待を一身に背負った安氏だったが、弁護士開業後の5カ月間に16億ウォンもの報酬を得ていたことが発覚した。1日当たりにすれば約1000万ウォンだ。これが「元検事・元判事だから得た報酬だ」と批判を受け、結局、指名を辞退した。
安氏は、疑惑を指摘された後になって11億ウォンを「社会に還元(寄付)する」と宣言した。これに対し韓国の中央日報は「11億ウォンの寄付で(批判の)台風を避けるというのは、この国の首相の価値がその程度にしかならないということか」と、首相のいすの価値を“算出”している。(ソウル 加藤達也)
●=火へんに共