一転して株安が長引けば、消費者のアベノミクスへの信頼は揺らぎ、アベノミクス以前の消費者心理に戻る恐れがある。消費税率の8%引き上げと駆け込み消費後の反動減が影響する4~6月期の実質成長率は前期比でマイナスになるのは不可避だが、7月以降、株安効果がのしかかると、夏場の家計消費回復シナリオが狂う。今後、景気を落ち込ませないためには、株価の再上昇が欠かせない。
ここで留意すべきは、日本の株価は日本ではなくニューヨーク・ウォール街が決めるという現実である。日本の株式売買シェアの6、7割は「外国人投資家」が占めているが、その「外国人」の総元締めがウォール街の投資ファンドや機関投資家である。ウォール街の投資家は米国株を主に、日本株を含む海外株で構成する資産配分を組んで、コンピューターによる自動売買プログラムで高速取引する。米財務省統計(最新データは2月分)から米国の投資家による海外株の国、地域別保有比率の推移をみると、日本株の比率は12年12月からほぼ一貫して上昇し、昨年後半には9・3%前後にほぼ固定されていた。ところが今年2月には8・9%に下がった。中国、ブラジル、ロシア、メキシコ、トルコなど新興国株式の比率は12年12月から下落基調が続いている。逆に、米投資家はユーロ圏の比率を昨年半ばから引き上げている。海外保有株全体に占めるユーロ圏株式の比率は12年11月で18%台だったが、今年2月には22%台だ。米国の投資家たちは、海外株のうち欧州株へのシフトとともに、新興国に続いて日本株離れに踏み切った。