日本株を再び上昇軌道に乗せるためには、ウォール街の投資家たちの保有株に占める日本株の比率を再引き上げさせるしかない。そのための条件は2つ。まずは安倍首相が6月に打ち出す具体的な成長戦略を通じて、国内外に対して強烈なメッセージを送ることだ。国家戦略特区、規制緩和と法人税の実効税率引き下げの議論が続いているが、官僚の作文を排し、政治の主導性を印象づけるべきだ。日銀がこれと合わせ、追加緩和に踏み切るのは当然だ。追加緩和でもう一段の円安を誘う。ドル建てで保有日本株を計算するウォール街投資家はドル換算の日本株の保有シェアを維持するよう、日本株を買い足す。これが円安=日本株高のからくりだ。
海外要因を考えると、ユーロ圏の市場不安は解消したわけではない。新興国の代表格である中国は鉄道貨物輸送でみた実物経済の成長率はマイナスが続いているうえに、不動産価格の下落が全国規模に広がっている。ウォール街が日本株を再評価する余地は十分ある。安倍政権は6月、このチャンスをものにすべきだ。日銀も決断の時だ。