法人実効税率の引き下げについては、菅直人政権が10年6月に決めた「新成長戦略」でも、具体的な税率や時期には言及しないながらも「主要国並みに引き下げる」と明記した。これを踏まえ、同年末の税制改正論議では実効税率5%の引き下げが決まった。
ただ、減税財源の過半を法人への増税で賄ったほか、東日本大震災の復興財源を確保する復興特別法人税として法人税額の10%が今年3月末まで上乗せされたために効果は吹き飛んだ。
また、環境や健康、農業、観光を成長分野として位置づけている点で、今回と従来の成長戦略は大きく変わらないが、従来は前提となる規制改革が「不十分」と評価され、成果も伴わなかった。このため、「成長戦略で本当に日本経済が回復するか疑問だ」(BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト)との批判も浮上している。
これまでの二の舞いを避けるには、官民を挙げて今回の戦略をどれだけ実効性のある施策に結びつけられるかが鍵を握る。(本田誠)