アプリの「MYOTee臉萌」で作成したアバター(SNS用キャラクター)の前に立つ人気番組「●●去★児(パパ、どこ行くの)」の出演者ら(中国新聞社)●=邑の口が父★=口へんに那【拡大】
最近、中国のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で異様な盛り上がりをみせているアバター作成アプリ「MYOTee臉萌」が、香港と中国本土に拠点を置くベンチャーキャピタル(VC)、IDGキャピタル・パートナーズから数百万元の資金提供を受けていたことが明らかとなった。
このアプリを制作したのは1990年代生まれの若者が設立した創業間もないスタートアップ企業。中国では最近、こうしたスタートアップ企業に資金を提供するエンジェルやエンジェル組織が急増している。
◆「国民総エンジェル」
2011年以前、中国でプライベート・エクイティ(PE)投資がブームとなったものの、創業間もない企業への投資は敬遠されていた。しかし、近年における新興市場や中堅・中小企業市場の活況、13年に始まった新規株式公開(IPO)の承認停止などをきっかけに、VCが投資を前期段階へシフトし始めると、スタートアップ企業へのエンジェル投資が徐々に脚光を浴び始め、今年に入ると、その数が急増。「国民総エンジェル」といった概念まで飛び出したのだ。
深セン市創東方投資の肖珂投資ディレクターは、リターンの高さやIPO承認停止などによる出口戦略の減少が、エンジェル投資急拡大の大きな要因と分析する。その中でも圧倒的に多いのがインターネット業界を含むTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界への投資だ。
スタートアップ企業へのエンジェル投資はリスクが極めて高く、そのリスクをカバーするには、より多くのリターンをできるだけ早く回収しなければならない。その点、TMT業界は他の業界と異なり場所、時間、カネへの依存度が低いため、比較的速い成長が期待できるうえ、一夜にして爆発的成長を遂げる可能性もあり人気が高いのだ。
実際ここ数年、早い段階から収益を上げたスタートアップ企業がいくつも誕生しており、エンジェルらは、そこから多くのリターンを得てきた。