国賓として韓国を初訪問し、歓迎式典に臨む中国の習近平国家主席。左は朴槿恵大統領=3日、ソウルの青瓦台(代表撮影)【拡大】
【ソウル=名村隆寛】中国の習近平国家主席は3日、韓国を国賓として訪問し、朴(パク)槿恵(クネ)大統領とソウルの大統領府で会談した。両首脳は北朝鮮の核開発を認めず、核放棄に向けて協力していくことを確認した。
会談では、中韓関係のほか、朝鮮半島および北東アジア情勢などが話し合われた。朴大統領は会談後の共同記者会見で、「朝鮮半島の平和と安定について深く議論がなされた」とし、共同声明に「朝鮮半島での核開発に断固として反対する」との文言が明記されたことを明らかにした。
習主席は、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の再開に向け、「協議参加各国が努力していくべきだ」と強く呼びかけた。
朴大統領は首脳会談に先立ち中国メディアに対し、歴史認識問題をめぐり日本を強く非難したが、共同会見では対日関係への言及はなかった。ただ、共同声明の付属文書は、日中韓の連携の重要性に触れつつも、慰安婦問題での中韓共同研究の推進が盛り込まれた。
両首脳は中韓自由貿易協定(FTA)の年内妥結を目指すことや人民元と韓国ウォンの直接取引市場の開設、投資、貿易、環境、エネルギー、教育などの分野での協力でも合意した。
中国の国家主席が就任後、北朝鮮より先に韓国を訪問したのは今回が初めて。習主席は4日、ソウル大学で演説、中韓投資フォーラムにも出席し、同日夕、帰国の途に就く。