浙江省紹興市新昌県で緑茶づくりに励む職人。同地は銘茶の一つ、大仏竜井茶の産地として知られる(中国新聞社)【拡大】
欧州連合(EU)が今年初めに発表した、茶葉の栽培で使用されるアセタミプリドなどの農薬の改正残留基準値が、8月25日から適用される。浙江省出入境検験検疫局によると、適用後は、同省の輸出茶葉の15%以上に当たる500万ドル(約5億945万円)分を超える茶葉が基準値を超え不合格となる可能性があるという。
同局食品安全監督管理処の任建氏は「今回の改正で対象となるのは、アセタミプリドのほかイソプロチュロンやピコキシストロビン、ピリメタニルなどがあるが、中でも影響が大きいのはアセタミプリドで、その基準値は1キログラム当たり0.1ミリグラムから0.05ミリグラムまで引き下げられた」と説明する。
防虫効果に優れるアセタミプリドは、中国の茶葉栽培で使用が認められ、省内の茶畑でも広く使われている農薬の一つだ。
だが「残留農薬として検出される割合も多く、2013年に不合格となった欧州向け輸出茶葉24ロットのうち41.67%がアセタミプリドの基準値超えによるものだった」と任氏は指摘。その上で「今回基準値が半減すれば、不合格となる製品は大幅に増えるだろう」と予測している。