ところが、黒田総裁は今月7日の支店長会議で、「先行きについてはしばらくの間、1%台前半で推移する」とあいさつ。中曽宏副総裁も8日の講演で、「夏場にかけては、プラス幅がいったん縮小し、その後再び上昇基調に復する可能性が高い」との見方を示し、「1%近傍」という数字は“封印”された。
海外投資家から、「日銀は物価見通しの下方修正を余儀なくされた」と誤解され始めたためだ。
国内エコノミストの間では、「日銀の物価見通しに変更はなく、慌てて火消しに走った」、「もともと確信犯的発言。観測気球を打ち上げて市場の反応を確かめた」などさまざまな憶測がささやかれている。
今回の決定会合では、各政策委員の当面の物価見通しに絡む発言も注目されそうだ。
日銀は4月に示した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、物価上昇率(増税の影響を除く)を14年度1.3%▽15年度1.9%▽16年度2.1%-と見込んでいた。会合ではリポートを点検したとみられるが、消費税増税の景気への影響は小さくなっており、見通し数値はほとんど修正しないとみられる。
ただ、建設や外食などで深刻化している人手不足や輸出の伸び悩みが不安材料となっており会合でも議論されたようだ。