日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は15日、金融政策決定会合後の記者会見で「消費税率引き上げ後の反動減はおおむね想定の範囲内だ」と述べ、日本経済は夏場以降に成長軌道に戻るというシナリオ通りに進んでいるとの考えを強調した。2%の物価上昇率目標をめぐって市場の一部から出ていた「夏場以降に1%割れする」という見方については「割る可能性はない」と一蹴し、目標達成に改めて自信を示した。
今回の決定会合を前に公表された経済指標では、5月の家計調査で消費支出が前年同月比8.0%減となるなど、一部で民間予測を大きく下回った。「反動減は想定内」と繰り返してきた日銀の見方に、市場からは疑念の声も漏れていた。
しかし、黒田総裁は会見で「品目やサービスにより差はあるが、反動減は次第に和らぎ、緩やかな回復基調が続く」との見通しを示した。物価上昇ペースに賃金の増加が追いつかない実質賃金の目減りを「注意深く点検する必要がある」としながらも、景気は「前向きな循環メカニズムがしっかり作用し続けている」とした。
日銀は2%物価上昇率に達するまでに2つの“関門”があるとみている。一つ目は、円安効果がなくなる今夏以降も1%台を維持できるかどうかだ。