5月の生鮮食品を除く消費者物価上昇率は、増税の影響を除外して前月比0.1ポイント下落した。6月下旬に黒田総裁が「1%近傍」と発言したことで、市場に「日銀が1%割れを想定し始めた」との見方も出ていた。
決定会合では4月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の物価見通しが見直されたが、9人の委員が示す大勢見通しの下限が今年度は1.2%と0.2ポイント上方修正された。
黒田総裁は、この点に触れた上で「見通しを変える必要はない」と断言。夏場にいったん下がった物価が再び上昇していくという“第2関門”をめぐっても「幅広い品目が上昇している」として、物価上昇に持続力があると指摘した。
一方で、景気の先行きには不安要素も残る。中でも最大の課題が輸出だ。
輸出回復の足取りは日銀の想定より弱い。イラク情勢の混迷など新たな海外リスクが浮上する中、回復がさらに出遅れれば、今年度後半に向けた景気の支えをひとつ失うことになる。