経済産業省の有識者委員会は25日、事業規模が比較的小さい中小企業の支援策をまとめた「小規模企業振興基本計画」の原案を大筋で了承した。中小企業の約9割を占める小規模企業に特化した支援策を打ち出すことで、地域経済の持続的な発展につなげるのが狙い。景気回復の恩恵が不十分とされる地方に、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の効果を波及させる効果も見込んでいる。
基本計画の原案は、中小企業政策審議会(経産相の諮問機関)の小規模企業基本政策小委員会で提示。今後5年間に政府が取り組む支援策として、商談会の開催や政府調達への参入促進による需要開拓、経営者や従業員向けの研修による人材育成などを盛り込んだ。
今後、意見公募(パブリックコメント)や全国9カ所での意見交換会などを経て、9月上旬に基本計画を取りまとめ、同月中旬の閣議決定を目指す。
小規模企業は、原則的に従業員5人以下の商業・サービス業、20人以下の製造業などと定義され、家族経営の工場や商店なども含まれる。2012年時点で334万社あり、全国の中小企業385万社の約9割を占め、中小企業白書は「地域の経済社会・雇用を支える存在」と位置づける。