【ビジネスアイコラム】消費税率10%への引き上げは鬼門 (1/2ページ)

2014.7.30 05:00

 先日、北陸に出張し地元の商工団体幹部と会談したが、消費税増税の影響を懸念していたのが印象的だった。地方経済にとって増税は最大の関心事で、2015年10月から10%に引き上げられることに否定的な意見も聞かれたほどだ。アベノミクス効果により、デフレ脱却が現実味を帯びつつあるが、その一方で、物価上昇や増税に伴う「家計の負担」がじわりと広がっているのが気にかかる。

 総務省が7月25日に発表した6月の全国消費者物価指数は、総合指数が前年同月比3.6%の上昇。生鮮食料品を除いた指数でも前年同月比3.3%の上昇となった。一方、同省が6月27日に発表した5月の家計調査(2人以上の世帯)では、消費支出は1世帯当たり27万1411円で、前年同月比実質で8.0%減少(前月比季節調整値実質3.1%減少)、名目で3.9%減少となった。このうち勤労者世帯の実収入は、前年同月比実質4.6%減少、名目0.4%減少となった。

 デフレ脱却へ向け物価が上昇する一方、消費支出は4月の前年同月比実質4.6%減少から5月は8%減少に落ち込み幅が拡大。6月は3.0%減と若干持ち直したが、消費税増税や円安による輸入物価上昇やエネルギー価格の上昇が家計を圧迫しつつある様がみてとれる。

 一方、賃金については、安倍首相が大企業に賃上げ圧力をかけたことも功を奏して、今夏のボーナスは大企業を中心に大幅アップとの報道も相次ぐ。

 厚生労働省が7月1日に発表した5月の勤労統計調査(速報)によれば、現金給与総額の前年同月比は、0.8%増と3カ月連続で増加となるなど、賃金は順調に上昇基調にあることがうかがえる。しかし、肝心な実質賃金指数(現金給与総額)の前年同月比は3.6%減となっている。賃金は伸びつつあるが、物価上昇のスピードに追い付いていない。

 こうした家計の圧迫は日銀が7月3日に発表した6月の「生活意識に関するアンケート調査」にも如実に表れている。

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