景気が「よくなった」とする回答から「悪くなった」とする回答を引いた景況感DIが、前回の3月期調査に比べて3.6ポイント悪化しマイナス10.0となった。前回調査で3期ぶりに改善した景況感は、再び悪化に転じている。
一方、法人税を減税と合わせ、その財源を確保するために中小企業の課税強化が俎上(そじょう)に載っていることも気にかかる。年間所得が800万円以下の中小企業の法人税は15%の軽減税率となっているが、これが20%台半ばまで引き上げられるのではないかとみられている。
さらに、資本金1億円以上が対象になっている外形標準課税を中小企業まで拡大する案が浮上している。
中小企業の7割は赤字で法人税を納めていない。ここに税の網をかけようというのが外形標準課税だが、外形標準課税は、企業の「付加価値」に課税する仕組みで、従業員の給与も課税対象になる。賃金を引き下げたり、極端な場合、従業員をリストラして、その分の仕事を外注したほうが税的には有利になりかねない。賃上げを働きかけている安倍政権としては正反対の結果を招きかねないリスクがある。
安倍政権は「ローカル・アベノミクス」を掲げ、地方へのアベノミクス効果の波及を目指しているが、まだ緒に就いたばかり。2015年10月からの消費税率10%への引き上げは鬼門となりかねない。(ジャーナリスト 森岡英樹)