米株価の上昇が止まらない。米国株を代表するS&P500種株価指数は先週末、終値の最高値水準で推移。ハイテク銘柄中心のナスダック総合指数も、約14年5カ月ぶりの高値を記録した。バブルへの警戒はみじんもみられない。
先週末、米カンザス州ジャクソンホールで行われたカンザス連邦準備銀行主催の年次総会で講演したイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は焦点の雇用情勢について、回復は不十分だとしながらも、今後の動向によっては引き締めペースを前倒しする考えを示唆した。
10月に量的緩和第3弾(QE3)を終了するのに続き、早ければ来年前半にも主要政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の引き上げに動くとみられている。
しかし、こうした引き締め政策への転換は金融市場でも織り込み済みで、市場の強気姿勢は簡単には崩れそうもない。
雇用改善が個人消費拡大を通し企業業績を拡大させるという先行きへの楽観が、バブルへの警戒を上回っているようだ。背景には量的緩和でマネーがあり余るなか、多くの投資家は低い利回りでの運用を嫌い、株や住宅へのリスク投資を続けざるを得ないという事情がある。
イエレン議長は7月の議会証言でハイテク株が高すぎると異例の警告を行い、投資家にバブルへの注意を促した。住宅価格も昨年半ば以降、前年比2桁の上昇を続けるなどバブルの兆候を見せている。
株式市場の楽観に警鐘を鳴らす重要な指標がある。ニューヨーク証券取引所(NYSE)が発表している「証拠金債務(マージンデット)」。これは投資家が株を買うために借り入れているお金の総額だ。過去の例を見ると、この額が短期間に急増してピークをつけると、間もなくバブル崩壊が起きている。