となると安倍首相は何のために法人税率引き下げを主導しているのだろうか。企業を減税するのでは、家計重課・企業軽課になり国民の支持を得られないとする政治上の心配を押してでも強硬に推し進めようとするのは、やはりアベノミクス第3の矢である成長戦略の目玉にしたかったからであろう。
先般の「日本再興戦略」「骨太の方針」を見る限り、規制緩和を主体とする成長戦略で全体としての即効性が乏しい。この法人税率引き下げのみが市場にアピールする手段である。財源確保などの難問を棚上げまでして実行したい首相の執念が垣間見えよう。
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【プロフィル】石弘光
いし・ひろみつ 1961年一橋大経卒。その後大学院を経て、講師、助教授、教授、学長。専攻は財政学。経済学博士。現在、一橋大学ならびに中国人民大学名誉教授。放送大学学長、政府税制調査会会長などを歴任。76歳。東京都出身。