タイの携帯通信市場が不振に陥っている。現地紙バンコク・ポストなどによると、現在2300億バーツ(約7590億円)の同市場は今年、0~2%の成長にとどまり、反タクシン派の軍事クーデターが発生した2006年の0.5%以来の低成長となる見通しだ。
現在、タイの携帯電話加入件数は総人口(約7000万)を超える9400万件で、普及率は134%となっている。各社の加入件数は最大手アドバンスド・インフォサービス(AIS)が4290万件で首位、2位はトータル・アクセス・コミュニケーションのブランド「DTAC」で2800万件、3位がトゥルー・ムーブで2300万件となっている。
地場証券会社KKトレード・セキュリティーズによると、加入件数で上位3社の今年1~6月の売上高(端末売り上げなどを除く通信費)は、3位のトゥルー・ムーブが前年同期比8.7%増だったものの、首位AISが同0.1%減だったほか、2位のDTACも1%減と低調だった。長引く政治混乱と景気低迷が要因とみられている。
AISは、今年の成長目標を6~8%に設定していたが、売り上げの不振を受けて1~2%への下方修正を余儀なくされた。さらに、当初は高機能、高価格のハイエンド機種の販売に注力する戦略を立てていたものの、景気低迷を受けて消費者心理が冷え込んでいることから、2500バーツ以下の低価格の3G(第3世代)端末の販売に重点を移し、2Gから3Gへの移行を希望する顧客の確保を優先する戦略に転換した。