また、調査・研究機関の水・エネルギー研究協会(AWER)幹部は、首都近隣で常態化している水不足を受けて浄水場建設を急ぐ政府の方針について「浄水場を建設しても水道管の交換を早期に実現しないかぎり、無収水が増えるばかりだ」と述べた。
政府は水不足解消の切り札として、セランゴール州に総工費約10億リンギットともされるランガット2浄水場の建設を目指している。しかし、同幹部は「ランガット2の処理能力は1日当たり11億3000万リットルというが、水道網が現状のままではそのうち3億リットルが失われる計算になる」とし、老朽化した水道管の交換こそが喫緊の課題だと主張した。
また、地域ごとの上水道インフラ格差も無視できない水準に達している。SPANによると、工業地帯として発展が続くペナン州の無収水率は18.2%だが、タイとの国境に接するマレー半島最北端のプルリス州では62.4%となっている。
マレーシアのエネルギー・環境技術・水資源省幹部は「水道管の老朽化や違法な取水など、無収水の問題は政府としても重要視している」と述べ、現在、対策案の策定の最終段階に入っていることを明かした。
一般的に先進国の無収水率は10~20%とされる。20年までの先進国入りを目指すマレーシアにとって、水道インフラの改善、水不足解消は重要課題の一つだ。(シンガポール支局)