【マンハッタンの風景】米景気回復、供給減下支え (2/2ページ)

2014.9.29 05:00

 先週半ば、英バークレイズのアナリスト部門が記者会見を開き、米国株のアンダーウエート(比重引き下げ)を発表した。欧州株や日本株の相対的な投資魅力が増したこともあるが、「バリュエーションが割高になった」というのが理由だ。

 確かに、企業業績が回復したといっても、1株利益の増加は自社株買いやリストラによるコスト削減が中心で、売り上げ増によるものではない。株価予想収益率の上昇は米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめ、各国の中銀による金融緩和のおかげである。

 ◆資金流入目立たず

 金融危機で痛手を受けた個人が投資する株式の投資信託などへの資金流入は目立っていない。家計の多くは相変わらず現金を抱えたままである。

 失業率の下落は人口動態の高齢化と求職者の減少が大きな要因。不動産価格の上昇は差し押さえ物件など、売り物の減少が利いている。

 緑色の生地に白抜き文字で「WHAT RECOVERY?(回復って、何のこと?)」。最近、政府要人が集まるタウンミーティングには、こんなTシャツを着た活動家が集結している。長期失業者からなる活動家グループで、金融緩和の継続を政府に求めているのだ。

 結局のところ、不動産相場から株式相場まで、需要増というよりも、供給減という需給要因が金融危機後の市況回復を支えてきた。「実感なき景気回復」といわれるゆえんである。(産経新聞ニューヨーク駐在編集委員 松浦肇)

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