外国人旅行者に免税をアピールする日本橋高島屋【拡大】
読者のみなさま、いつもSankeiBizをご愛読いただき、ありがとうございます。10月からは週1回、「早坂礼子の経済ウォッチング」を掲載します。ヒトがいて、モノやカネが動けばそれが経済。さまざまな事象を経済記者歴30年の視点でわかりやすく解説していきます。10月のテーマは「ガイジンさん、いらっしゃい!」です。
10月のテーマ【ガイジンさん、いらっしゃい!】
(1)免税制度の拡充は消費に好影響?
各地の観光地は外国人だらけ
「中国便はインバウンドが絶好調です」と笑顔を見せるのは、ANAホールディングスの伊東信一郎社長。2011年の東日本大震災や12年の尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化などをめぐる日中関係の悪化で落ち込んでいた中国人の訪日客は、このところ急速に回復している。日本から中国に向かう飛行機はビジネス客が中心だが、日本へ向かう便は中国人観光客で満席状態という。
9月中旬から円安元高が急速に進み、昨秋は1元=15円前後だった人民元が10月はじめには同18円弱。中国人には日本での買い物が1年前に比べて2割ほど割安になった。10月1日からは訪日外国人向けの消費税の免税制度が緩和され、これまで対象外だった化粧品や食品、一部医療品も免税になっている。1日からは新中国建国を祝す国慶節の7連休も始まり、中国人訪日客の日本での購買意欲は高まるばかりだ。