底堅い消費、景気回復シナリオ崩れず 10月地域経済報告 (2/2ページ)

2014.10.21 06:09

 消費の現場も堅調さを裏付ける。高島屋は2014年3~8月期は減収と当初予測していたが、結果は増収だった。「円安でインバウンド(外国人旅行者の集客)がプラスになり、効果を出した」(木本茂社長)

 近畿など4地域で所得の判断を引き上げるなど、雇用・所得の改善も個人消費にプラスとなった。近畿では人手不足を背景に名目賃金が5カ月連続、基本給などの所定内給与も3カ月連続で前年を超え、「今年度後半からは需給ギャップの改善が物価を押し上げる」と宮野谷篤・日銀大阪支店長は指摘する。

 不安材料もある。自動車や家電など耐久消費財や住宅着工の反動減から来る回復の遅れだ。今回、住宅投資は5地域、生産は4地域で判断が引き下げられた。不動産経済研究所によると首都圏のマンション発売戸数は9月まで8カ月連続、近畿圏でも10カ月連続のマイナス。「建材や人件費の上昇でコストが高騰し、供給制約になっている面もある」(不動産仲介幹部)

 また、9月の新車販売台数は3カ月連続で前年割れとなり、ホンダは在庫調整に取り組む。裾野産業が幅広い自動車業界の冷え込みが長引けば、政府や日銀のシナリオが狂いかねない。

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