こうした外資勢の活発な動きに対して神経をとがらせているのが、資金力で外資に及ばない地場勢だ。ハノイに本拠を置く地場プータイ・グループの会長は、ベトナムで24時間営業のコンビニエンスストアを1店舗設置する費用が10万ドルだとし、利益を出すには同型の店舗を300以上出店しなくてはならないと指摘。「市場で存在感を増していくだけの資金を工面するのは容易ではない」と述べた。
さらに同会長は「反対に、地場企業は赤字と銀行からの借金で二重の苦しみにあえいでいる」とし、投資どころか損失を拡大させているのが地場勢の現状だとの認識を示した。こうした状況で四半期の利益が10億ドルともいわれるウォルマートのような巨大企業が仮に5億ドルを投じるならば、地場勢にとっては太刀打ちできないほどの脅威になるとの見解だ。
ある地場小売業者は「有効な手段は外資と手を組むしかないが、申し出があるのは49%以下の出資比率での提携話だけだ」と述べ、政府による保護策の強化が必要だと訴えた。
◆官製の近代化に反発
また、ハノイ当局は市民の需要に応えるとして20年までに市内に近代的なスーパーマーケット型の商業施設1000店舗を設置し、現在は市場など伝統的形態で出店している小規模業者を移していくとしているが、こうした強引ともいえる近代化の動きに対する反発も広がっている。
専門家は「完成した施設のなかには入居率が20%程度のものもある。所得水準が低い消費者も多く、そうした層では立派な外装の近代的店舗は敬遠されがちだ」と述べ、小売市場全体の発展のためには、大型商業施設のように“立派な箱”をつくるよりも、市場の環境改善など伝統的形態を尊重した施策を講じるべきだと提言した。