だが、影の主役といえるのはアイフォーン。アイフォーンを含む通信機輸入は11・6%で、輸入増加率のうち0・6ポイント分を占めた。LNGでさえ1・5ポイント分の寄与だったことを勘案すれば、インパクトの大きさは明白だ。
実はここ数年、アイフォーンの新型機が発売される毎年9月は、日本向けアイフォーンを生産する中国からの通信機輸入が大幅な拡大の一途をたどっていた。「アイフォーン5」発売の2012年9月は2・5倍以上に増加、「5s」「5c」が発売された13年9月も同90・8%増だった。
そして、今年の新型機となる「6」も、9月19日の発売から3日間で販売台数1000万台を達成したと米アップル社が公表しており、エコノミストからは、「9月は赤字拡大の可能性が高い」と悲観視する声が上がっていた。実際、中国からの9月の通信機輸入は8・2%増の大幅増で、日本のアイフォーン人気が貿易赤字を押し上げた構図となった。