地下1千メートル以上の地層を水圧破砕して取り出すシェールオイルの生産には巨額のコストがかかる。米バーンスタイン・リサーチは、原油価格が1バレル=80ドルを下回ると、米国のシェールオイル生産の3分の1は採算割れとなると試算する。
サウジが価格下落を容認するのは“シェール潰し”のほか、対立関係にあるイランに打撃を与えるためとの見方もある。
ただ、OPEC諸国が国家予算を維持するうえで、「100ドルを大きく割れる水準は長く続かないのではないか」(石連の木村会長)との分析もある。原油安の先行きを左右するサウジの動向は、日本の景気への影響も大きい。