米国はアジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会議にあわせて中国・北京で8日に開かれるTPP交渉の閣僚会合の会場を、在中国の米国大使館とすることを日本など他の11カ国に通知した。TPPの交渉会合を在外公館で開くのは極めて異例だ。TPP交渉に参加していない中国は日米主導の通商ルールづくりには神経をとがらせており、中国当局による盗聴を警戒したためとみられるが、会合を主催する米国の前向きな姿勢もうかがえる。
もっとも、共和党の影響力が強まるほど、日本には不利に働く恐れも大きい。高水準の自由化を目指す同党が日本の重要農産品の関税をめぐり「日本により譲歩を求めてくる可能性がある」(交渉筋)からだ。
さらに、共和党は「日本が農業分野で譲歩しないのは、政権に交渉権限がないためだ」として、議会が大統領に通商交渉での強い権限を与える「貿易促進権限(TPA)」法案の成立までは合意を認めない方針。TPA法案の審議は来年1月の新会期開始までは行われない見通しで、日米などが目標としてきた交渉の年内大筋合意は依然、「極めて厳しい」(同)との見方は変わらない。
(本田誠、ワシントン小雲規生)