【専欄】中国の日本語熱 ノンフィクション作家・青樹明子 (1/2ページ)

2014.11.6 05:00

 十数年前、北京の地下鉄で。

 隣に座った若者がひたすら本を読んでいる。何だろうと思ったら、日本語の教科書だった。

 日本語を勉強しているんだ…、とうれしくなって覗(のぞ)き込んだら、愕然(がくぜん)とした。ひどい! 何が? 日本語の例文が。

 「おほようごぎぃます」

 「こんぱんは」

 これでは独学の若者があまりに可哀そう。と考えたことが、中国で『日本語・Go!Go!塾』というラジオ番組を始めるきっかけとなった。

 番組に集うリスナー達、彼らの日本語に対する思いは熱い。

 20代後半の某男性リスナーは、日本留学が夢だった。番組宛てに頻繁に手紙を送ってくれていたが、ある日突然ばたっと途切れてしまった。どうしたんだろうと思っていると、数年後、人づてに伝言が届く。「チョーエキ(懲役)に行っていたので、連絡が取れなかった」とのことである。

 「友人の為に強盗をして、5年間の実刑をくらいました! 真面目に務め上げたので、4年で出られることになったのです。日本語の勉強は諦めてはいません。日常会話までは習得したいので手伝ってくださいね」

 チョーエキは短縮されたけど1年は保護観察期間のため、北京から動くことができないらしい。留学計画は断念せざるを得ないけれど、これまで通り、独学を続けるつもりだとのこと。刑務所でも、日本語への思いは消えることがなかったという。

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