【ユーロ経済学】「課税逃れ」包囲網じわり EU調査 企業優遇税断念の国も (1/2ページ)

2014.12.8 05:00

 国際展開する多国籍企業がグループ内の利益移転などで節税を図る「課税逃れ」に対する風当たりが、欧州で厳しさを増している。欧州連合(EU)は世界的な有力企業をめぐる事案の調査に乗り出し、企業への優遇税制を断念する加盟国も出てきた。課税逃れ対策が世界的な課題となる中、その包囲網がじわりと狭まっている。

 ◆苦境の欧州委員長

 11月27日、フランス・ストラスブールのEU欧州議会。苦しい立場に置かれていたのは、欧州委員会のユンケル委員長だった。同月初めに就任したばかりなのに、不信任決議案が早々と提出されたためだ。決議案にはこうあった。「課税回避に責任のある者が欧州委員長であることは耐え難い」

 決議案を提出したのはEU懐疑派の議員らだ。ユンケル氏は中道右派・左派の二大会派の支持を取り付けており、決議案は反対461、賛成101、棄権88で否決された。

 とはいえ、ユンケル氏は神妙だ。「私が光栄にも率いる欧州委員会は脱税や課税回避と戦う。私の言葉に疑いを持たないでほしい」

 決議案の発端となったのは、米国に拠点を置く「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)が11月上旬、ユンケル氏の出身国ルクセンブルクをめぐる世界の有力企業の課税逃れを暴露したことだった。

 ICIJは入手した計約2万8000ページに及ぶ非公開文書を分析し、約340社がルクセンブルク政府と特別な課税措置の取り決めを結び、法人税の支払いを優遇されていたと指摘。実際に支払う税金が利益の1%未満の企業もあった。免れた法人税は計数十億ユーロに上るともされる。

 優遇措置を受けていた企業には米飲料メーカーのペプシ、米航空貨物大手のフェデックス、スウェーデン家具大手のイケアなど世界で広く知られている企業も含まれる。いずれもユンケル氏がルクセンブルクの首相を務めていた時期の措置だけに批判が上がり、ユンケル氏は対応のため加盟国の優遇措置の透明化を図る法案を準備する意向も示した。

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