バンコク・チャトチャック区にあるセント・ステファン・インターナショナルスクールも新キャンパスを16年以降、開設する予定だ。所得が向上したタイ人家庭のほか、カンボジア、ベトナム、ミャンマーなどの新興ビジネスマン家庭や富裕層の子供たちをターゲットにする。このため、国境周辺都市でのキャンパス設置も視野に入れる。教師の確保などを15年から始める計画だ。
中高生を持つ保護者の関心も高まっている。ノンタブリ県にあるインターナショナルスクール・バンコクには、日本や韓国、中国などのビジネスマン家庭から問い合わせの電話やメールが2~3年前から増えているという。同校は1951年開校の伝統校で、もともとは国連職員とアメリカ人外交官の子供たちを対象にバンコクで開設された。北米式のカリキュラムを採り入れた質の高い教育が好評で、03年にはインターナショナルスクールとしては初めてタイ教育省の教育栄誉賞を受賞した。
◆周辺国より安い学費
外国人ビジネスマンのタイ駐在が増え、年頃の子供を持つ親にとって異国での教育問題は特に関心が高い。しかし、日本語などの母国語で授業が行われるのは義務教育の中学校までで、高校進学を機に母親とともに帰国するケースがこれまで大半を占めていた。高校就学年齢に達してもタイにとどまるのは「ビジネスのグローバル化とともに、子供の英語教育を重視する親が増えるなど、意識の変化もあるのではないか」とインターナショナルスクール・バンコクの事務局担当者はみている。