日銀が15日発表した地域経済報告(さくらリポート)は、大都市と大企業が感じ始めている景気回復の風が地方や中小企業まで浸透しきっていない実態を浮き彫りにした。安倍晋三政権は「地方創生」をキーワードに掲げ、アベノミクスの恩恵を全国に届けようとしているが、景気回復はまだら模様の様相だ。
「北海道電力の再値上げで家計や企業のマインドがやや冷え込んでいる。特に電気の多消費型業種からは『非常に痛い』との声を聞く」
景気の基調判断を唯一引き下げた北海道。日銀札幌支店の曽我野秀彦支店長はこの日の記者会見で、電気料金の高止まりが道内経済に与える影響に懸念を示した。
北海道が下方修正された主な要因は、公共投資が前倒しで執行されたことだ。ただ公共投資は「東京五輪まで旺盛な需要が続く」(鹿島の中村満義社長)などの声もあり、全国的に高水準の状態にある。