環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の日米協議で、日本が米国産の輸入牛肉にかける関税を現在の38・5%から9~11%程度まで段階的に引き下げる方向で調整していることが29日、分かった。安価な米国産の流入で国内の畜産農家が打撃を受けないよう、近年の実績を一定程度上回る規模まで輸入量が急増した場合、関税を20~38・5%に戻す緊急輸入制限(セーフガード)を導入することも検討している。
輸入牛肉の関税をめぐっては、日本は今月15日に発効したオーストラリアとの経済連携協定(EPA)で豪州産の冷蔵品は23・5%、冷凍品は19・5%まで段階的に下げることにしている。日米協議では、米国産の関税を日豪EPAの水準以下に下げることは避けられない情勢となっていた。交渉筋は現在の交渉状況について「1桁か2桁の攻防」とし、9~11%程度までの引き下げで調整していることを明らかにした。
セーフガードに関しては、関税を20%まで下げる期間は38・5%、それ以降は20%に戻す仕組みとする案が有力だ。
TPP交渉は米ニューヨークで参加12カ国の首席交渉官会合が開かれ、ワシントンでは日米の事務レベル協議も開催中。2月2日からは牛肉を含む日本の重要農産品の関税に関して詰めの協議に入る。日米間では牛肉以外の重要農産品でも溝が埋まりつつあるとされ、2~3月に閣僚協議を開いて合意に達するとの期待も高まっている。