「米国はF3開発に介入せず」「次期戦闘機は日米共同開発を」…米ヴァンダービルト大教授ジェームス・アワー氏 (1/4ページ)

2015.3.19 05:05

 米ヴァンダービルト大(テネシー州)教授で元米国防総省安全保障局日本部長のジェームス・アワー氏は「日米FSX(次期支援戦闘機)紛争」や日本のステルス戦闘機開発などについて、電子メールでのインタビューに応じた。やり取りの詳細版は次の通り。

 --日本政府が次期戦闘機の国産方針を米国に伝えた場合、米政府はどう反応するとみているか

 アワー氏 日本が国産機開発方針を決めたとしても(次期支援戦闘機=FSX=問題で日米がぎくしゃくした)1980年代とは取り巻く環境も違うため、米国の反応は全く違うものになろう。日本は当時、日米貿易で電機、自動車を筆頭に幅広い分野(防衛装備や航空機は例外だ)で大幅な黒字だった。米国民の間には日本経済が順調に拡大する中、米経済が停滞しているとの不安があった(日本のバブル崩壊は予想すべくもなかった)。

 米国防総省のエンジニアらにとって日本の航空技術力は怖くなかったが、一部の政治家やジャーナリストは、怠慢か不注意かあるいは意図的に、日本は米経済の脅威になると攻撃した。(名門の)雑誌『アトランティック』の1989年5月号に掲載されたジェームズ・ファローズ氏の記事『Containing Japan(邦題:日本封じ込め)』はその一例だ。同誌54ページに『日本が封じ込められない場合は米国が自らの外交政策の遂行や意見を推進する権威が(中略)脅威にさらされることになるだろう』と指摘している。FSX問題については48ページで言及されている。

 当時、米国は防衛と航空機で大幅な対日貿易黒字を維持していたが、自動車を主力産業とするミシガン州や鉄鋼など主要産業を擁する他州の政治家は自らの競争力不足を懸念していた。例えば、彼らは米フォード・モーターの小型車「ピント」やモトローラ製テレビ(これは米国人ですら買いたがらなかった)がトヨタ自動車のカローラやソニーのトリニトロンより優れていると主張できなかった。その代わりに、日本の『非道な』商慣行に関し専門的・客観的立場の権威としてファローズ氏やオランダ人ジャーナリスト、カレル・ヴァン・ウォルフレン氏らの著書を引用して「日本は不公平だ」と決めつけ、国産戦闘機開発にかける日本の防衛産業の希望を対日批判の口実に利用したというわけだ。

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