一方、貸出先の資産査定は、破綻すれば経営への影響が大きい大口貸出先を除いて原則、検査から外して銀行に任せる。総合的なリスク管理態勢が十分に整っていると評価すれば、大口貸出先の査定についても行わない考え。
金融庁はこれまで、銀行の健全性検査を検査官の裁量に委ねており、資産査定に過度な焦点が当たりがちだった。
バブル崩壊後は不良債権が銀行のリスクの主因だったためで、貸し出し先ごとに経営状況を厳しく査定し、倒産リスクの高まりに応じて引当金を積み増させていた。
しかし、不良債権問題が収束し、銀行のリスクも多様化しており、資産査定主体では銀行の健全性を検証できなくなっている。このため今後は、経営上の重要なリスクの把握や脆弱(ぜいじゃく)性の分析などを通じ、銀行が総合的なリスク管理を手がけているかの点検に軸足を移す。