東京・乃木坂にある国立新美術館のミュージアムショップ「スーベニアフロムトーキョー」は内外のガイドブックで紹介され、外国人の人気も高い。スタイリッシュでスリリングな感覚をはらんだ空間の創設に携わり、話題を集めてきた。
「いろんなものをごちゃ混ぜにした日本のカオスをつくって時代や社会を表し、現在の東京や日本で目にし、実際に手で触れることのできるものを集めたお土産屋さんを考えました」
知的好奇心をわきたたせる空間づくりをそう振り返るが、国立の文化施設での取り組みは、東京国立博物館でも大人気を博している。大阪の世界的な造形会社と同館所蔵の埴輪(はにわ)や土偶などをミニチュアにし、コインを入れるとカプセルで出てくるガチャガチャが大ヒットを続ける。尾形光琳が描いた重要文化財の屏風(びょうぶ)画「風神雷神」もフィギュア化し、即完売した。
「ポストカードやクリアファイルとは違うものができないかとご依頼をいただきました。展示室ではガラスの中に収められていたものを手に取ることができたり、平面を立体化して表現することで新鮮な感動が起きるようです」
世界の優れたデザインを集めたインテリアショップの立ち上げにも力を発揮したが、社会を見つめ、人の心のありようを探り、時代が求めるものをすくい取って形にしていく。