会談を前に握手するニュージーランドのキー首相(左)と安倍首相=24日午後、首相官邸【拡大】
安倍晋三首相とニュージーランドのキー首相は24日の首脳会談で環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結に向けて協力する方針を確認した。ただ、ニュージーランドが関税協議で原則自由化にこだわるのに対し、日本は重要農産品5分野の関税保護を求める国会決議もあり、両国の溝は深い。このままでは早期妥結を阻む障壁となりかねないのが実情だ。
キー首相の来日にはニュージーランドでTPP交渉を担当するグローサー貿易相も同行し、25日に甘利明TPP担当相と会談する。ただ、甘利氏は24日の記者会見で「お会いする以上は確実な進展があることが大事。現実に即した提案があることを期待したい」と注文を付けた。
背景には、TPP交渉の“時間切れ”懸念が強まる中で、原則論に固執するニュージーランドへのいらだちがある。日本はニュージーランドが輸出を増やしたい乳製品で無関税か低関税の輸入枠を新設したり拡大したりすることで同国の理解を得たい考え。だが、ニュージーランドは強硬姿勢を崩そうとせず、協議は平行線をたどっている。
TPP交渉では、日本にとって米国との関税協議が最大の懸案だが、ニュージーランドに加え、カナダとの関税協議も遅れている。カナダは総選挙を控え国内の反発を招く交渉に後ろ向きな姿勢が目立つ。日本政府内にはニュージーランド、カナダ両国の対応を「周回遅れ」(高官)と批判する声も上がっている。