日銀、新審議委員の原田氏就任　物価目標「期間と両立困難」 (1/2ページ)

　政府は２６日、日銀の新審議委員に元早大教授の原田泰（ゆたか）氏（６４）を任命した。原田氏は記者会見で、「２年程度で２％」の日銀の物価目標について、「原油安なら２年で達成できなくても大問題ではない。目標と期間を両方厳密に考えるのは難しい」との考えを示した。

　原田氏は２５日に任期満了で退任した宮尾龍蔵審議委員の後任で任期は５年。大胆な金融緩和で物価上昇を目指す「リフレ派」の論客として知られ、脱デフレを掲げる安倍晋三政権が人選を主導した。日銀内では黒田東彦総裁、岩田規久男副総裁とともに「大規模金融緩和」の“キーマン”になるとみられる。

　審議委員人事は通常、日銀や財務省が官邸の相談を受け、擦り合わせしながら候補者を絞るプロセスをたどる。

　しかし、昨年１０月末の追加金融緩和が１票差の“薄氷”で決まったことに官邸が危機感を強め、リフレ派の原田氏を強く推したようだ。

　原田氏は、経済企画庁（現内閣府）や大和総研でエコノミストとして活躍した。黒田総裁の“応援団”とみられるが、２％の達成期限をめぐっては黒田総裁に反対する場面もありそうだ。

「目標達成を急ぐ黒田氏の“いさめ役”になるかもしれない」