東京のまちづくりについても提言する世界的なコンサルティング会社、A.T.カーニー日本法人の梅澤高明会長がそう指摘するように、世界の都市間競争に勝ち抜き、ヒト、モノ、カネをひきつけるには、ビルや道路、鉄道の整備だけではうまくいかない。東京都の長期ビジョンもその点を重視。バスを活用するBRTの整備や、シェアサイクルによる自転車社会の創出を打ち出している。
BRTについては3月に都が中間報告をまとめ、都心と五輪競技場のある臨海部を結ぶ路線について、2019年度に運行を始める方針を打ち出した。燃料電池車両を導入し、円滑な運行へITも駆使する。
シェアサイクルは、現在、実証実験している江東区、千代田区、港区に、今年10月開始予定の中央区を加えた4区が相互乗り入れを可能にするよう協議を開始。五輪後も公共交通システムとして定着させるため、16年度にも貸し出しのルールや料金体系を統一化し、各区で乗り降りを可能にする。
このほか、都の長期ビジョンでは丸の内、日本橋、品川など拠点整備が進んでいる地区だけでなく、日本が強みとするコンテンツ産業のビジネス拠点として「竹芝」地区の開発なども新たに盛り込んだ。国家戦略特区の東京圏区域計画では、国際的なビジネス環境の整備に向けて虎ノ門や八重洲などの再開発に加え、起業の手続きが1カ所で可能になる東京開業ワンストップセンターの設置を決め、早くも来月から始動する。