【ビジネスアイコラム】エネ地産地消で地域活性化を (2/2ページ)

2015.4.3 05:00

 一方、FCVタクシーは、福岡市のタクシー4社と北九州市の1社が国の補助金や福岡県の助成を得てトヨタ自動車の「ミライ」を1台ずつ、計5台を導入。当面は予約や駅のタクシー乗り場を拠点に運行される。

 FCVは昨年末に発売され、国や自治体や大学などで公用車として導入が始まったばかりだが、庶民の足であるタクシーの登場で、一気に「究極のエコカー」は身近な存在になりそうだ。気になる運賃は通常の中型タクシーと同じ、というから早くミライを体感したいものだ。

 FCVタクシーの登場に、福岡県の小川洋知事は「タクシーはPR効果が高く、(FCV)普及に貢献してもらえる」と期待を高める。燃料の水素を充填(じゅうてん)する水素ステーションはこれまで福岡県内では北九州市の1カ所だけだったが、福岡市が下水処理場の汚泥から水素を製造する実証事業を4月から開始。水素の製造能力は1日当たり3300立方メートルで、FCV65台にフル充填できる。また、西部ガスはステーション内で都市ガスから水素を製造し販売する拠点を福岡市内に建設し、来年春にオープンの予定だ。

 福岡市は「水素リーダー都市プロジェクト」を展開しており、FCVタクシー導入や西部ガス、市の取り組みは水素の“地産地消”への一歩となる。

 小川知事は「今後、県内に10カ所程度水素ステーションを整備したい」と話しており、国や自治体をあげたインフラ整備が進めば、FCV普及のスピードは上がるはずだ。(産経新聞社西部本部副本部長 遠藤一夫)

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