平成27年度予算の成立を受け、政府・与党は今夏に取りまとめる今後5年間の財政計画の議論を本格化する。ただ、来年の参院選を控え、早くも大幅な歳出削減に及び腰な様相が強まっている。財政再建に向けて実効性のある計画が示せるかが今後の焦点だ。
内閣府によると、名目経済成長率3%以上の高い成長が今後続いた場合でも、財政の健全性を示す基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)は32年度に9兆4千億円の赤字が残る。安倍晋三首相は「消費税率10%超への増税は考えていない」と明言しており、PB黒字化には国の歳入増か歳出削減で9兆円超の赤字を補う必要がある。
32年度のPB黒字化達成に向け、安倍首相が議長を務める経済財政諮問会議は、財政計画に税収増や国有財産の活用など歳入改革とともに、社会保障や地方財政など歳出削減策を盛り込む方向で検討している。
ただ、18年に小泉純一郎政権が社会保障費を年間2200億円減らす方針を示した際、与党や業界団体から猛反発を受け、計画が頓挫した。当時のトラウマは根強く、財政計画は胸突き八丁に差し掛かっている。
官邸に対抗し、独自の財政計画策定に乗り出した自民党も、社会保障や公共事業に絞った数値目標の導入には慎重だ。自民党幹部は「国民皆に理解を得られる計画を提言したい」というが、放漫財政を食い止めるには心もとない。