東京・代々木の国立競技場の解体現場。2020年の東京五輪を前に建設現場などでの人手不足は深刻化、外国人の技能実習生への期待が高まる(AP)【拡大】
◆個人情報管理支援を
バングラデシュでは現在、約220万人に上る派遣労働者のデータバンクがあるという。一人一人が持つ専門分野や取得した技術などを細かくデータ化して記録。各国からの要望に応じて派遣する労働者を選び出せる仕組みだという。それぞれのデータは個人が携帯するICカードに登録され、空港や大使館などで特定の端末にかざせば、すぐさま詳細な個人情報が照会できるという。
この仕組みなら技能実習生が勝手に派遣先企業を変えることも難しくなる。日本も技能実習制度を進めるうえで、バングラデシュのような仕組みを他の国が導入するよう支援を検討する必要がありそうだ。
技能実習制度の新たな法整備が進めば、最大5年まで延長される。ただ、対象となる職種はあくまで技術を学ぶという趣旨に沿ったものにすべきだ。
現在、技能実習制度に介護職も含める方向で検討が進んでいる。経済連携協定(EPA)に基づく介護福祉士の受け入れが進んでいないからと技能実習生で受け入れるのは本末転倒だ。介護福祉士に義務付けた日本語試験を簡単にする方が先だろう。技能実習という建前を守るなら、あくまで実習期間修了後、自国に帰って役立つ技術を学べる職種に限るべきだ。(編集委員 宮野弘之)