政府は24日、2030年までの新たな温室効果ガス削減目標について、25%程度とする方向で最終調整に入った。30日に開かれる環境省と経済産業省の専門家会合で示し、6月の先進7カ国(G7)首脳会議で安倍晋三首相が表明する。比較の基準となる「基準年」は05年と13年の2通りから検討する。
削減目標の前提となるエネルギーミックス(電源構成比率)では、全基停止している原子力を20~22%、現在10%程度の再生可能エネルギーを22~24%まで引き上げる方向だ。電源構成の見直しと省エネ対策を合わせれば、20%程度の排出削減が可能になる。これに、空調や冷蔵庫などに使う代替フロンの排出削減や、森林整備による二酸化炭素(CO2)の吸収分などを加算し、25%程度まで目標を上積みする考え。
削減目標をめぐっては、経済活動への影響を懸念する経産省が20%台前半、環境省が後半を主張していた。米国が25年までに05年比26~28%削減するなど欧米が高い目標を掲げるなか、年末の気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で一定の発言力を確保するため、実現可能な範囲で目標を示す。